ParaDraw 基本 1-2 〜ツールを使って絵を描く〜


ベクタ画像を描く前に、『パス [?] 』と『アンカー [?] 』について知っておく必要があります。
パスというのは、直線や曲線などの、ひとつの絵の部品のことで、
アンカーはパス上にある、パスの末端や角にある点のことです。

例えば、右から左に1本の直線を引いたとすると、
線の数は1本なのでパス数は1、アンカーの数は両端にひとつずつで合計2ということになります。

[パスとアンカーの画像1]
上のような図形の場合、1本の線でできているのでパス数は1、
末端や角は4つ(赤丸で示した)なので、アンカーの数は4です。

[パスとアンカーの画像2]
上のような図形の場合、線の数は全部で3本なのでパス数は3、
末端や角は9つ(赤丸で示した)なので、アンカーの数は9です。


ParaDraw には図形を描くためのツールが何種類も用意されています。
前回は「鉛筆ツール」しか使用しませんでしたが、その他のツールは以下のようになっています。

[ツールパレット画像1]

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[ツールパレット画像2]

1:選択ツール - パスを選択するときに使用します。
2:変形ツール - アンカーを移動させるときに使用します。パス上で右クリックすることによって、アンカーの追加/削除をすることもできます。
3:グラデーションツール - パスのグラデーションを変形させる時に使用します。
4:鉛筆ツール - 自由線を引く時に使用します。
5:直線/曲線ツール - 直線、または曲線を引く時に使用します。直線、曲線はボタンをクリックするごとにモードが切り替わります。
6:矩形(くけい)ツール - 長方形を描く時に使用します。
7:円ツール - 円を描く時に使用します。
8:多角形ツール - 多角形を描く時に使用します。
9:文字ツール - テキストを描く時に使用します。好きなフォントを使用することが出来ます。
10:バケツツール - パス(線)で囲まれた部分を塗りつぶす時に使用します。
11:ブラシ/消しゴムツール - ブラシで描く/消しゴムで消すときに使用します。

「変形ツール」があることからもわかるように、ドローソフト(ベクタ画像を描くソフト)はペイントソフト(ラスタ画像を描くソフト)と違い、既に描かれた図形でも後から色を変えたり変形したりすることができます。


上記のツールを利用して描いたパスの色を変えるときは、「スタイルパレット」と「カラーインジケータ」、「カラーピッカー」を使用します。
[スタイルパレット画像] ←スタイルパレット

[カラーインジケータ/カラーピッカー画像]


カラーインジケータ


カラーピッカー

まず、「選択ツール」で、色を変えたいパスを選択します。
次に、スタイルパレットの上のほうにある横長の長方形3つの中からパスのスタイルを決定します。
パスのスタイルは上から順に以下のようになっています。

[線のみ]

[塗りつぶしのみ]

[線と塗りつぶし]

1

2

3

1番目: 線のみ
2番目: パスの中を塗りつぶす色のみ
3番目: 線と塗りつぶし両方

2、3番目は「矩形ツール」などで描いた図形のように、線で閉じられている図形にのみ適用できます。
閉じられていない図形は「選択ツール」でパスを右クリック⇒「パスを閉じる(L)」することで閉じたパスにすることができます。
同様に、「パスを閉じない(O)」をすると線のパスにすることができます。

2、3番目を選んだ場合、その下にある4つの四角形の中から塗りつぶしのスタイルを選択します。

[一色塗りつぶし]

[左右のグラデ]

[中央のグラデ]

[円形のグラデ]

1

2

3

4

1番目: 単色で塗りつぶす
2番目: 右から左へのグラデーション(2色)で塗りつぶす
3番目: 中央から外側へのグラデーション(2色)で塗りつぶす
4番目: 円形のグラデーション(2色)で塗りつぶす

パスのスタイルを設定したら、カラーインジケータを確認しながら、カラーピッカーから色を選びます。
1.パスの線の色にしたい色をカラーピッカーから選び、その色の上で左クリックします。
2.パスの中を塗りつぶす色を、カラーピッカーから選び、その色の上で右クリックします。
3.塗りつぶしのスタイルをグラデーションにした場合、グラデーションの塗りつぶし色をカラーピッカーから選び、
  その色の上でキーボードの「Shiftキー」を押しながら右クリック
します。

パスの線の太さを変えるときは、線の太さを変えたいパスを「選択ツール」で選択し、
スタイルパレットのすぐ上にある2つのドロップダウンメニューのうち、
『1 pt』となっている下のメニューで数値を選択、もしくは数値を直接入力します。
[ドロップダウンメニュー画像]
上の『100%』となっているメニューは、キャンバスの拡大率です。
この数値をメニューから選択、もしくは直接入力して変更する事によって、キャンバスの表示を拡大したり縮小したりする事ができます。


パスのアンカーは図形を描くうえで必要不可欠なものですが、鉛筆ツールなどを使用するとアンカーの数が無駄に多くなってしまいます。
アンカーの数が多いとソフトウェアの処理が非常に重くなり、データサイズも大きくなってしまいます。
そんなときは『パスを最適化』することによって適度にアンカーの数を減らす事ができます。

最適化したいパスを「選択ツール」で選択したら、右クリックして「パスを最適化(P)」をクリックします。
「強い最適化」と「弱い最適化」の度合いをスクロールバーを移動させて調節し、「適用」を押すと、設定した度合いで決定されます。
このとき、最適化を強くかけすぎると図形が大きく変形してしまうので注意してください。


「パース変形」という機能で、パスを複雑に変形させる事ができます。
変形したいパスを「選択ツール」で選択し、右クリックから「パース変形(T)」を選びます。
X(横)-Y(縦)-Z(奥)軸方向の変形の他に、奥行きの設定も可能です。


ParaDraw は、「選択ツール」で選択しているパスだけを「クリップ」ファイルとして保存する事ができます。
クリップファイルの拡張子は「pdclip」です。
パスをクリップとして保存しておけば、他の絵で同じパスが必要になったときに
クリップファイルだけを読み込んで現存の絵に追加することができます。

パスをクリップとして保存するには、「選択ツール」で保存したいパスを選択した後、
ParaDraw メインウィンドウ上部の「ファイル(F)」から「クリップを書き出す(C)」を選びます。
読み込む場合は、「クリップを読み込む(R)」で読み込んだ後、
キャンバス上で右クリック⇒「貼り付け」することで追加できます。
ちなみに、 pdclip 以外にもwmfsvgファイルも「クリップを読み込む(R)」で読み込むことができます。

また、ParaDraw はベクタ画像である pdr 以外にも、bmp や png といったラスタ画像形式や、swf で画像を保存する事もできます。
pdr 以外の形式で画像を保存するには、ParaDraw メインウィンドウ上部の「ファイル(F)」から、
「別の形式で画像を保存(E)」をクリックします。


ParaDraw 同梱のusage.jpgに各ツールの詳細が載っているので参照してください。


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